日本国憲法改正草案(現行憲法対照)自由民主党
平成二十四年四月二十七日(決定)
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見方
以下は大きく異なるところを文字起こししてみました。
【文字】:カッコ内は現行条文
文字:青字は個人的に気になった修正文

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(天皇)
第一条
天皇は、日本国の元首【象徴】であり、日本国及び日本国民統合の象徴であって、その地位は、主権の存する日本国民の総意に基づく。

(国旗及び国歌)
第三条
国旗は日章旗とし、国歌は君が代とする。【新設】
2 日本国民は、国旗及び国歌を尊重しなければならない。【新設】

(元号)
第四条
元号は、法律の定めるところにより、皇位の継承があったときに制定する。【新設】

(天皇の権能)
第五条
天皇は、この憲法に定める国事に関する行為を行い【行為のみを行ひ】、国政に関する権能を有しない。

【以下項は削除】
②天皇は、法律の定めるところにより、その国事に関する行為を委任することができる。

【以下項は削除】
第五条
皇室典範の定めるところにより摂政を置くときは、摂政は、天皇の名でその国事に関する行為を行ふ。この場合には、前条第一項の規定を準用する。

5 第一項及び第二項に掲げるもののほか、天皇は、国又は地方自治体その他の公共団体が主催する式典への出席その他の公的な行為を行う。【新設】

第二章 安全保障【第二章 戦争の放棄】
(平和主義)
第九条
日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動としての戦争を放棄し、武力による威嚇及び武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては【永久にこれを放棄する】用いない。
2 前項の規定は、自衛権の発動を妨げるものではない。
【前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。】

(国防軍)【新設】
第九条の二
我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全を確保するため、内閣総理大臣を最高指揮官とする国防軍を保持する。【新設】
2 国防軍は、前項の規定による任務を遂行する際は、法律の定めるところにより、国会の承認その他の統制に服する。【新設】
3 国防軍は、第一項に規定する任務を遂行するための活動のほか、法律の定めるところにより、国際社会の平和と安全を確保するために国際的に協調して行われる活動及び公の秩序を維持し、又は国民の生命若しくは自由を守るための活動を行うことができる。【新設】
4 前二項に定めるもののほか、国防軍の組織、統制及び機密の保持に関する事項は、法律で定める。【新設】
5 国防軍に属する軍人その他の公務員がその職務の実施に伴う罪又は国防軍の機密に関する罪を犯した場合の裁判を行うため、法律の定めるところにより、国防軍に審判所を置く。この場合においては、被告人が裁判所へ上訴する権利は、保障されなければならない。【新設】

(領土等の保全等)【新設】
第九条の三
国は、主権と独立を守るため、国民と協力して、領土、領海及び領空を保全し、その資源を確保しなければならない。【新設】

第三章 国民の権利及び義務
(国民の責務)
第十二条
この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力により、保持されなければならない。国民は、これを濫用してはならず、自由及び権利には責任及び義務が伴うことを自覚し、常に公益及び公の秩序に反してはならない。

第十三条
全て国民は、人【個人】として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公益及び公の秩序【公共の福祉】に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大限に尊重されなければならない。

(身体の拘束及び苦役からの自由)
第十八条
何人も、その意に反すると否とにかかわらず、社会的又は経済的関係において身体を拘束されない。
【何人も、いかなる奴隷的拘束も受けない。又、犯罪に因る処罰の場合を除いては、その意に反する苦役に服させられない。】

(思想及び良心の自由)
第十九条
思想及び良心の自由は、保障する。
【第十九条思想及び良心の自由は、これを侵してはならない。】

(個人情報の不当取得の禁止等)【新設】
第十九条の二
何人も、個人に関する情報を不当に取得し、保有し、又は利用してはならない。【新設】

(信教の自由)
第二十条
信教の自由は、保障する。国は、いかなる宗教団体に対しても、特権を与えてはならない。【政治上の権力を行使してはならない】

(表現の自由)
第二十一条
集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、保障する。
2 前項の規定にかかわらず、公益及び公の秩序を害することを目的とした活動を行い、並びにそれを目的として結社をすることは、認められない。【新設】

(国政上の行為に関する説明の責務)
第二十一条の二
国は、国政上の行為につき国民に説明する責務を負う。【新設】

(家族、婚姻等に関する基本原則)
第二十四条
家族は、社会の自然かつ基礎的な単位として、尊重される。家族は、互いに助け合わなければならない。【新設】

(環境保全の責務)【新設】
第二十五条の二
国は、国民と協力して、国民が良好な環境を享受することができるようにその保全に努めなければならない。

(在外国民の保護)【新設】
第二十五条の三
国は、国外において緊急事態が生じたときは、在外国民の保護に努めなければならない。

(犯罪被害者等への配慮)【新設】
第二十五条の四
国は、犯罪被害者及びその家族の人権及び処遇に配慮しなければならない。

(教育に関する権利及び義務等)【新設】
3国は、教育が国の未来を切り拓ひらく上で欠くことのできないものであることに鑑み、教育環境の整備に努めなければならない。

(勤労の権利及び義務等)
2 公務員については、全体の奉仕者であることに鑑み、法律の定めるところにより、前項に規定する権利の全部又は一部を制限することができる。この場合においては、公務員の勤労条件を改善するため、必要な措置が講じられなければならない。【新設】

(財産権)
第二十九条
財産権は、保障する【これを侵してはならない】
2 財産権の内容は、公益及び公の秩序に適合するように、法律で定める。この場合において、知的財産権については、国民の知的創造力の向上に資するように配慮しなければならない。【公共の福祉に適合するやうに、法律でこれを定める】

(通常国会)
2 通常国会の会期は、法律で定める。【新設】

(衆議院の解散と衆議院議員の総選挙、特別国会及び参議院の緊急集会)
第五十四条
衆議院の解散は、内閣総理大臣が決定する。【新設】

(表決及び定足数)
第五十六条
両議院の議事は、この憲法に特別の定めのある場合を除いては、出席議員の過半数で決し、可否同数のときは、議長の決するところによる。
2 両議院の議決は、各々その総議員の三分の一以上の出席がなければすることができない。
【両議院は、各々その総議員の三分の一以上の出席がなければ、議事を開き議決することができない。
②両議院の議事は、この憲法に特別の定のある場合を除いては、出席議員の過半数でこれを決し、可否同数のときは、議長の決するところによる。】

(内閣総理大臣等の議院出席の権利及び義務)
第六十三条
内閣総理大臣及びその他の国務大臣は、議案について発言するため両議院に出席することができる。
2 内閣総理大臣及びその他の国務大臣は、答弁又は説明のため議院から出席を求められたときは、出席しなければならない。ただし、職務の遂行上特に必要がある場合は、この限りでない。
【又、答弁又は説明のため出席を求められたときは、出席しなければならない。】

(政党)【新設】
第六十四条の二
国は、政党が議会制民主主義に不可欠の存在であることに鑑み、その活動の公正の確保及びその健全な発展に努めなければならない。
2 政党の政治活動の自由は、保障する。
3 前二項に定めるもののほか、政党に関する事項は、法律で定める。

第五章 内閣
(内閣と行政権)
第六十五条
行政権は、この憲法に特別の定めのある場合を除き、内閣に属する。
【行政権は、内閣に属する。】

(内閣の構成及び国会に対する責任)
2 内閣総理大臣及び全ての国務大臣は、現役の軍人であってはならない【文民でなければならない】

(内閣総理大臣が欠けたとき等の内閣の総辞職等)
2 内閣総理大臣が欠けたとき、その他これに準ずる場合として法律で定めるときは、内閣総理大臣があらかじめ指定した国務大臣が、臨時に、その職務を行う。【新設】

(内閣総理大臣の職務)
第七十二条
内閣総理大臣は、行政各部を指揮監督し、その総合調整を行う。
【内閣を代表して議案を国会に提出し、一般国務及び外交関係について国会に報告し、並びに行政各部を指揮監督する。】

2 内閣総理大臣は、内閣を代表して、議案を国会に提出し、並びに一般国務及び外交関係について国会に報告する。【新設】
3 内閣総理大臣は、最高指揮官として、国防軍を統括する。【新設】

第七章 財政
2 財政の健全性は、法律の定めるところにより、確保されなければならない。【新設】

(予算)
2 内閣は、毎会計年度中において、予算を補正するための予算案を提出することができる。【新設】
3 内閣は、当該会計年度開始前に第一項の議決を得られる見込みがないと認めるときは、暫定期間に係る予算案を提出しなければならない。【新設】
4 毎会計年度の予算は、法律の定めるところにより、国会の議決を経て、翌年度以降の年度においても支出することができる。【新設】

(公の財産の支出及び利用の制限)
第八十九条
公金その他の公の財産は、第二十条第三項ただし書に規定する場合を除き、宗教的活動を行う組織若しくは団体の使用、便益若しくは維持のため支出し、又はその利用に供してはならない。
2 公金その他の公の財産は、国若しくは地方自治体その他の公共団体の監督が及ばない慈善、教育若しくは博愛の事業に対して支出し、又はその利用に供してはならない。
【公金その他の公の財産は、宗教上の組織若しくは団体の使用、便益若しくは維持のため、又は公の支配に属しない慈善、教育若しくは博愛の事業に対し、これを支出し、又はその利用に供してはならない。】

(決算の承認等)
3 内閣は、第一項の検査報告の内容を予算案に反映させ、国会に対し、その結果について報告しなければならならない。【新設】

第八章 地方自治
(地方自治の本旨)【新設】
第九十二条
地方自治は、住民の参画を基本とし、住民に身近な行政を自主的、自立的かつ総合的に実施することを旨として行う。【新設】
2 住民は、その属する地方自治体の役務の提供を等しく受ける権利を有し、その負担を公平に分担する義務を負う。【新設】

(地方自治体の種類、国及び地方自治体の協力等)【新設】
第九十三条
地方自治体は、基礎地方自治体及びこれを包括する広域地方自治体とすることを基本とし、その種類は、法律で定める。
2 地方自治体の組織及び運営に関する基本的事項は、地方自治の本旨に基づいて、法律で定める。【新設】
3 国及び地方自治体は、法律の定める役割分担を踏まえ、協力しなければならない。地方自治体は、相互に協力しなければならない。【新設】

2地方自治体の長、議会の議員及び法律の定めるその他の公務員は、当該地方自治体の住民であって日本国籍を有する者【追記:であって日本国籍を有する者】が直接選挙する。

(地方自治体の財政及び国の財政措置)【新設】
第九十六条
地方自治体の経費は、条例の定めるところにより課する地方税その他の自主的な財源をもって充てることを基本とする。【新設】
2 国は、地方自治体において、前項の自主的な財源だけでは地方自治体の行うべき役務の提供ができないときは、法律の定めるところにより、必要な財政上の措置を講じなければならない。【新設】
3 第八十三条第二項の規定は、地方自治について準用する。【新設】

第九章 緊急事態【新設】
(緊急事態の宣言)
第九十八条
内閣総理大臣は、我が国に対する外部からの武力攻撃、内乱等による社会秩序の混乱、地震等による大規模な自然災害その他の法律で定める緊急事態において、特に必要があると認めるときは、法律の定めるところにより、閣議にかけて、緊急事態の宣言を発することができる。【新設】
2 緊急事態の宣言は、法律の定めるところにより、事前又は事後に国会の承認を得なければならない。【新設】
3 内閣総理大臣は、前項の場合において不承認の議決があったとき、国会が緊急事態の宣言を解除すべき旨を議決したとき、又は事態の推移により当該宣言を継続する必要がないと認めるときは、法律の定めるところにより、閣議にかけて、当該宣言を速やかに解除しなければならない。また、百日を超えて緊急事態の宣言を継続しようとするときは、百日を超えるごとに、事前に国会の承認を得なければならない。【新設】
4 第二項及び前項後段の国会の承認については、第六十条第二項の規定を準用する。この場合において、同項中「三十日以内」とあるのは、「五日以内」と読み替えるものとする。【新設】

(緊急事態の宣言の効果)【新設】
第九十九条
緊急事態の宣言が発せられたときは、法律の定めるところにより、内閣は法律と同一の効力を有する政令を制定することができるほか、内閣総理大臣は財政上必要な支出その他の処分を行い、地方自治体の長に対して必要な指示をすることができる。【新設】
2 前項の政令の制定及び処分については、法律の定めるところにより、事後に国会の承認を得なければならない。【新設】
3 緊急事態の宣言が発せられた場合には、何人も、法律の定めるところにより、当該宣言に係る事態において国民の生命、身体及び財産を守るために行われる措置に関して発せられる国その他公の機関の指示に従わなければならない。この場合においても、第十四条、第十八条、第十九条、第二十一条その他の基本的人権に関する規定は、最大限に尊重されなければならない。【新設】
4 緊急事態の宣言が発せられた場合においては、法律の定めるところにより、その宣言が効力を有する期間、衆議院は解散されないものとし、両議院の議員の任期及びその選挙期日の特例を設けることができる。【新設】

第十章 改正
第百条
この憲法の改正は、衆議院又は参議院の議員の発議により、両議院のそれぞれの総議員の過半数の賛成【各議院の総議員の三分の二以上の賛成で】で国会が議決し、国民に提案してその承認を得なければならない。この承認には、法律の定めるところにより行われる国民の投票において有効投票の過半数の賛成を必要とする。

第十章 最高法規
【以下項は削除】
第九十七条
この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果であつて、これらの権利は、過去幾多の試錬に堪へ、現在及び将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利として信託されたものである。

(憲法尊重擁護義務)
第百二条
全て国民は、この憲法を尊重しなければならない。【新設】

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